社交ダンスをしていると聞いたことがある方も多い格言のひとつ。
それが、「ワルツに始まり、ワルツに終わる」という言葉。
実際の競技でも最初に踊ることの多い種目であり、各カップルの印象を左右する大事な種目でもあります。
競技ダンスでは、ワルツはスタンダード(モダン)の種目に分類されていて、ゆったりとした音楽に乗るダンスでもありますので、社交ダンスを習ううえ際は、スタンダード種目の中だとワルツを初めに学ぶことが多いとされています。
競技ダンスの世界では、題名にも書いている通り“スローワルツ”という種類をそのまま略して『ワルツ』と呼ぶことが多いのですが、世界では一般的にアップテンポなウィンナ・ワルツをワルツと呼ばれているそうです。
というわけで今回は、社交ダンスをするうえで最初に通る道と言っても過言ではないワルツについて、その歴史とスローワルツ以外の種類も織り交ぜながら、ご紹介したいと思います。
ワルツの大きな特徴と言えば、「まわる」という意味を持つその名の通り、回転が多く、
ゆったりと大きく上下に動くこと(ライズ&ロアー・ライズ&フォール)。音楽も同様にスローテンポなので、とても優雅な印象を受けます。
また、ワルツは男女がコタクト・ホールド(向かい合って組むこと)でクローズドポジションをとり、フロアを中心に反時計回りに踊っていきます。(この回り方をLOD(Line Of Dance)と呼びます。)
実は、こうした男女が体を近づけて手を取って踊るという行為が大々的に許されたのは、割と最近(?)の話。
そもそもワルツの起源は、13世紀ごろ、ハプスブルク帝国に属する西オーストリアと西ドイツの農民が躍っていた『ヴェラー(Wellar)』というダンスでした。
ヴェラーは、誕生した当初から、男女が体をくっつけて回りながら踊る、まさに今日のワルツのようなダンスでした。しかし、遠い昔のハプスブルク帝国時代、男女が接しながら踊るなどけがらわしい!という理由から、なんと法律でヴェラーを踊ることは禁止されていたのです。
今の時代では考えられないですよね・・・
ここまで禁止をされていながらも、厳しい毎日を過ごしていた農民にとっては唯一の娯楽だったので、政府の目の届かないアルプス渓谷の農村では、こっそりと踊られ続けていました。
そんなヴェラーですが、16世紀になるとついに都市にも徐々に伝わるようになります。
しかし、農村で踊られていたようなアップテンポで楽しげな動きではなく、優雅さを取り入れるようになり、ヴェラーは上品な『ヴァラー』と、名前も変わりました。
その後、『ワルツ』へと独自に発展していったのです。
ワルツに発展した時にはもう既に住民の間でも大人気となり、ハプスブルク帝国でもその歯止めをすることができず、最終的にはこの踊りが解禁されるようになります。
いかに群衆の力が法律をも動かすほどの大きなエネルギーとなるか、証明された瞬間ですね。
しかもその後、18世紀には正式にハプスブルク宮廷文化にもワルツが取り入れられるようになったので、本当に驚くべき発展です。
ちなみに、18世紀初頭の1814年、フランス革命とナポレオン戦争終結後のヨーロッパの秩序再建と領土分割を目的として開催されたウィーン会議が、数ヶ月を経ても進捗せず、「会議は踊る、されど進まず」と評されたことは有名なお話ですが、国際的な場に初めてワルツが登場したのも実はこのウィーン会議でした。
これを機に、ワルツはウィンナ・ワルツ(3拍子のワルツ)としてヨーロッパ中に広まっていきます。ウィンナ・ワルツでの3拍子はテンポとしては速く、くるくる回りながら踊るという特徴があるのですが、3拍がすべて均等な長さを持つわけではなく、2拍目をやや早めにずらすように演奏することで、更に流動感と躍動感を際立たせています。
それに比べてスローワルツは、テンポがゆったりとしていて、3/4拍子で1拍目にアクセントがある音楽で踊ります。そのため、とても優雅で穏やかな印象のワルツなのです。
ここで、ワルツの種類をご紹介しましょう。
1.ウィンナ・ワルツ(ヴェニーズ・ワルツ)
2.スローワルツ
-インターナショナルスタイルワルツ(ワルツ)
-アメリカンスタイルワルツ(ワルツ)
3.タンゴワルツ(ワルツ)
4.オールドタイムワルツ
5.ヘジテーションワルツ
このように、5種類のワルツにまで派生したヴェラー。
スローワルツに関しては、更に2種類に分かれており、日本での競技ダンス種目としてはインターナショナルスタイルワルツが取り入れられています。
アメリカンスムースにも分類されるアメリカンスタイルワルツは、映画で男女が踊るシーン等でも多く見られる、リードと音楽を重視の、ペアで踊るダンスです。
もう、色々ありすぎで少し頭がこんがらがってしまいますよね。(笑)
ですが、社交ダンスをする上で競技ダンスとして踊られているのはスローワルツの
インターナショナルスタイルワルツ、と覚えておいてください。
そのダンスで使用される基本ステップは、恐らく社交ダンスを始めて一番に覚えるかもしれないステップなので、こちらもご紹介させていただきますね。
◆ベーシックステップ
◆クローズドチェンジ
◆ナチュラルターン
◆リバースターン
◆ナチュラルスピンターン
◆ウィスク
◆シャッセフロムプロムナードポジション(シャッセfrom PP)
もしかすると、数年前に世界中で流行したコアリズムでも聞き覚えのある名前があったのではないでしょうか?名前だけを覚えようとするとまるでテスト勉強のようになってしまうと思いますが、ひとつずつ体の動きと共に覚えていっていただければなと思います。
いかがでしたでしょうか?
ワルツと一言に言っても、これだけの種類と歴史があることがお分かりいただけたかと思います。「ワルツに始まり、ワルツに終わる」その言葉の通り、社交ダンス界でもとっても重要な種目となりますので、今後も是非ワルツの魅力を楽しんでくださいね。
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