社交ダンスのスタンダート種目の一つ“ワルツ”は、三拍子のゆっくりとしたテンポが特徴的です。スタンダートの中ではもっとも人気が高く、初心者向けのダンスとして知られています。
そんなワルツは、18世紀末のオーストリアや南ドイツが起源となっています。日本語で円舞曲とも呼ばれるワルツですが、その語源は「回転する」という意味をもつドイツ語「Walzer」にあるんです。
ドイツは社交ダンスが盛んなだけでなく、他の国とは違う独自の社交ダンス文化を持つ国です。皆さんも、ドイツの社交ダンス事情に興味がおありではないでしょうか。
そこで今回は、ドイツのダンス文化や社交ダンスの盛り上がり、主力選手をご紹介します。
ドイツの社交ダンスの歴史や独自の文化

1861年1月24日に日本とドイツ(旧プロイセン)間で修好通商条約が締結されて以来、両国は経済や政治、スポーツなどさまざまな分野で連携しています。2021年には日独交流160周年を迎えました。
日本とドイツは社交ダンスでも深いつながりがあるため、ドイツのダンス事情を知れば、グローバルな視点で社交ダンスを楽しめることでしょう。
ここでは、ドイツの社交ダンスの歴史や独自の文化をご紹介します。
ワルツはもともと求愛のためのダンス
社交ダンスのスタンダート種目は、ワルツ・タンゴ・ヴィエニーズワルツ・スローフォックストロット・クイックステップの5つ。中でももっとも人気が高いのが「1、2、3」の3拍子で優雅に踊るワルツです。
ワルツは競技ダンスの中でも最古のダンスで、ドイツのバイエルン地方やオーストリアで一般の人たちが求愛のために踊っていたものに由来します。くるくると回る華やかな表現に魅了され、貴族たちの間にも広まっていきました。
男女が密着して踊るのが特徴的なことから、一時は弾圧を受けもしますが、1814年~行われたウィーン会議を機に認知されました。
ウィーン会議では、各国首脳が揃いも揃ってワルツを踊っていたというから驚きです。オーストリアのリーニュ侯爵の皮肉「会議は踊る、されど会議は進まず」は有名ですね。
この言葉を借りて製作されたドイツ映画『会議は踊る』は、映画監督として活躍した黒澤明氏が愛した作品でもあります。
同じ競技種目でも、ヴィエニーズワルツは18世紀後半のウィーンで発展したもので、ドイツ発祥のワルツよりもテンポが速いなどの違いがあります。
社交ダンス教室は10代の恋人づくりの場

日本では「ひとりカラオケ」や「ひとり焼肉」など一人で行動する文化が当たり前になっています。それに対し、ドイツにはヨーロッパならではのカップル文化が根付いており、買い物や食事、映画など何かを楽しむ時は必ずカップルで行動する傾向が強いです。
ドイツでは、ダンスパーティーなど社交的な集まりにもカップルで参加するのが当たり前になっており、社交ダンス教室は10代にとっては初めての恋人づくりの場でもあります。ですから、ドイツでは社交ダンスを10代から習い始めるのは珍しいことではありません。
ドイツ人の両親は、社交ダンス教室を子供を異性と出会わせる安心安全な場所と捉えているのです。

ドイツには非常に多くのダンススクールが存在しますが、中でも有名なのがミュンヘンにある「ノイベックダンススクール(Neubeck)」です。ダンスを舞台芸術やスポーツと捉え、老若男女問わず人々を結び付け、友情をはぐくむためのレッスンを提供しています。
10代向けのコースと20代以上のコースがあり、ワルツやタンゴ、チャチャチャなど社交ダンスの基礎を習得できるほか、ダンスパーティーやイベントも開催されています。以前のドイツでは、上手く踊れることが素養の一つでした。社交ダンススクールは、子供たちにとってマナーを学ぶ場といっても過言ではないでしょう。
ドイツ国内での社交ダンスの人気状況や盛り上がりは?

データ引用:国際比較調査
https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/a_11_04.htm
内閣府が公表した高齢者に関する国際比較調査の結果では、「ダンスパーティーなどの社交的な集いに参加しているか」という問いに対し、「参加している」と回答したドイツの人はおよそ8割でした。2割以上の人が「いつも参加している」と答えたように、ドイツではダンスパーティーが日常的なイベントであることが分かります。
そんなドイツでは、社交ダンスの人気状況や盛り上がりはどのようになっているのでしょうか。
世界最大規模の社交ダンス競技会を開催
社交ダンスの競技会世界各国で開催されていますが、世界最大規模の競技会の中でも特に名誉ある大会の一つが「ジャーマンオープン(German Open Championships)」です。
ジャーマンオープンは、世界ダンススポーツ連盟(WDSF)が主催しており、毎年8月にドイツのシュトゥットガルトで開催されます。
出場者数の多さはさることながら、世界のトップダンサーが集う競技会ということで、そのレベルの高さは観客に圧倒的な感動を与えています。
スタンダートやラテンのほかに、ジュニア、ユース、シニアなど幅広いカテゴリのダンサーが集結するのも見どころ。日本選手もシニア部門で優勝するなど活躍を見せています。2017年には、お笑いタレントのキンタロー。さんとロペス組が出場して話題を集めました。
会場となるマリティムホテルの内外装はとても豪華。海外のダンスブランドが多数出店することもあって、観客の楽しみも倍増するようです。
シンプルで機能性の高いブランドが魅力的
ドイツのファッションは華美過ぎず、シンプルで洗練されたコーディネートが特徴的です。
アディダスやPUMAなどのスポーツブランドやドイツ人医師が生みの親であるDr.Martensなど有名なブランドも数多く存在します。活動的なドイツの人は動きやすさや快適性を重視するため、ドイツのファッションはカジュアルで機能的。その傾向はダンスブランドにもよく見られます。

ジャーマンオープン2023で出店したドイツブランドのララファーリヤン(Lalafarjan)は、ボールルームネットでもおすすめのブランドです。こちらのブランドは黒や白など落ち着いたカラーを基調とし、上品でスタイリッシュな衣装を提供。権威ある競技会にふさわしいコーディネートが完成させられます。
ララファーリヤンの商品はこちら
ダンスコンテスト番組が大人気

ドイツでは、ダンスコンテスト番組『レッツ・ダンス(Let’s Dance)』が大人気です。この番組は、アメリカの有名な番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』の一シリーズとして2006年から放送されています。
有名人とプロのダンサーがペアを組み、審査員のポイントや観客の投票数を競うというシリーズおなじみの形式で展開される番組です。過去には、元シャルケでガーナ代表DFのハンス・サーペイや歌手のエラ・エンドリッチやモデルのリリ・パウルが出場し、好成績を収めています。
2015年秋には、実際のカップルでペアを組み競技に挑むスピンオフも放送されるなど、派生番組も好評です。
レッツ・ダンス発の全国アリーナツアーも不定期に開催されており、2022年秋には16の都市を周る3回目のライブツアーが行われました。ツアーでは、その年の優勝者やファイナリスト、活躍したペアが出演して審査員の点数を競います。2021年のツアーでは13万5千枚のチケットが売れたことからも、ドイツ国内での社交ダンス人気の高さがうかがえます。
社交ダンスを踊るコスプレ舞踏会が流行
日本のアニメや漫画は海外人気が非常に高く、動画配信サービスなどを通して世界中のファンが視聴しています。ドイツでも若者を中心に日本のアニメがブームとなっており、日独間の国際交流のきっかけにもなっています。
日本では同人誌即売会のコミックマーケット(通称コミケ)が有名ですが、コミケに影響を受け、ドイツでもさまざまなサブカルチャーイベントが開催されているんです。
近年流行しているのがコスプレ舞踏会というイベント。文字通り、参加する人たちがコスプレをして社交ダンスを踊る舞踏会で、ドイツ三大名城の一つハイデルベルク城を始め歴史的建造物を会場に行われています。
ドイツ版コミケの「ドコミ(Dokomi)」では、ダンスワークショップも同時開催しており、社交ダンスの基礎を復習してから舞踏会に参加できるようになっています。
コスプレ舞踏会はドイツ独自のイベントとなり、10代から社交ダンスを習うのが当たり前というドイツならではの試みです。
ドイツの社交ダンス界のスターは?主力選手をチェック

ドイツの社交ダンス界を語る上で外せないのが、世界チャンピオンのドーメン・クラぺッツ&ナターシャ・カラベイ組です。ドーメン&ナターシャは2014年12月にカップルを結成し、翌年のUKオープンでベスト4に入賞。2021年にはブラックプール選手権やロンドンインター選手権で優勝しています。
彼らは2022年のロンドンインターで現役引退を発表しましたが、引退後も日本のパーティーにゲストで参加しダンスを披露するなど、国外でも活躍されています。

ドーメン&ナターシャは、イギリスブランド「クリスアンクローバー」のスポンサーを務めています。大事な競技の時は、必ず同ブランドの衣装を着用されるなど、かなりの愛着があるようです。翼を広げたような純白のドレスがとても美しいですね。
クリスアンクローバーの商品はこちら
ドイツにはまだまだたくさんの注目選手が存在します。ボールルームネット一押しの選手を紹介しますね。
アーサー・バランディン&アンナ・サリタ組

ドイツ出身のアーサー・バランディンとウクライナ出身のアンナ・サリタは、WDSFショーダンスラテン世界選手権2022でチャンピオンになったカップルです。
2017年から毎年挑戦を続けており、見事初優勝を成し遂げました。ラテン世界選手権2022でもセミファイナルに進出するなど、世界のトップダンサーと呼べる実力者です。
カップルを組んでから10年以上ということもあり、息がぴったり合っていて安定感があります。力強く情熱的なダンスは、何度見ても目を奪われてしまいますね。

アーサー&アンナは、ドイツの社交ダンスブランド「ララファーリヤン」のスポンサーも務めています。
ニコラス・ヴァレンティン・デニウス&クセニア・レンメレ組

2019年にカップルを結成した、ニコラス・ヴァレンティン・デニウス&クセニア・レンメレはともにドイツ出身。どの大会でも好成績を収めている期待のダンサーです。
最初の年に開催されたWDSFオープンジュニアⅠラテンで準優勝。2022年12月にはミュルハイムでのジュニアⅡラテン、2023年5月フランクフルトで開催されたジュニアⅡスタンダードで優勝しています。ジャーマンオープン2023でもジュニアⅡラテンでベスト4に入るなど、スタンダードでもラテンでも活躍できる貴重な存在といえましょう。
堂々とした表情や美しい身のこなしには、社交ダンス界を牽引していくトップスターの風格を感じさせます。

ニコラス&クセニア組も、「ララファーリヤン」のスポンサーダンサーです。やはり、このブランドのダンスウェアは、無駄のないデザインで高貴な印象ですね。
ドイツのプロダンサーも愛用する社交ダンスブランドのおすすめ商品をご紹介
ボールルームネットは、日本や海外のさまざまな社交ダンスブランドの衣装を提供するオンラインショップです。日本の店舗では入手が難しい、競技会に出店するような人気ブランドの取り扱いもあるため、衣装で差をつけたいダンサーの方にぜひご利用いただきたいです。
今回は、ドイツ発のブランドやトップダンサーが愛用するブランドのおすすめ商品をご紹介します。
トレンドのバックシャンを取り入れたドレス

世界チャンピオンのドーメン・クラぺッツ&ナターシャ・カラベイ組がスポンサーを務める「クリスアンクローバー」のボールルームドレスです。
トレンドのバックシャンを取り入れ、シンプルながらもおしゃれなデザインになっています。バックシャンとは日本語で「背中が美しい」という意味。このドレスは背中が大きく開いており、女性らしさが強調されています。
ウエスト部分のクロスギャザーがメリハリのある体型に見せてくれます。クレープ素材とストレッチネットを使用しており、自宅での洗濯も可能です。
独特なシルエットが美しいラテンドレス

「クリスアンクローバー」のキラ・ラテンドレスは、上品かつ独特なシルエットが美しく、ファッション性と機能性を兼ね備えたドレス。一味違うドレスをお探しの方におすすめです。
競技会では入場するところから審査されているといわれますが、このドレスは間違いなくフロア映えするため、見る人の第一印象をガラリと変えてくれます。競技が始まった後も、ドレスがダンサーの動きを引き立ててくれるため、観客を飽きさせることはありません。
素材にはクリスアンクローバー最高級のクレープ生地を使っており、伸縮性や吸水性、速乾性に優れています。
プロダンサーにも大人気のトレーニングシャツ

アーサー・バランディン&アンナ・サリタ組などドイツの世界チャンピオンが愛用する「ララファーリヤン」のダンストレーニングシャツです。
伸縮性のあるストレッチ素材を使用しており動きやすさは抜群。ボディへのフィット感があり動きが分かりやすいため、自主練習や指導を受ける際の衣装に向いています。自宅で洗濯を繰り返すことを想定して縫製されているので、クリーニングの心配をすることなく着用可能。洗い替えに何枚か持っておきたい一着です。
世界中のプロダンサーが愛用する大人気の商品ですので、お早めにご購入されることをおすすめします。
ジャンル問わず着まわせる定番のダンスパンツ

スタンダードからラテン、モダン、アメリカンスタイルまでダンスのジャンルを問わず着用していただけるメンズパンツです。
足の動きやすさに配慮されたツータックデザインは、ステップが踏みやすいだけでなく、足を長く綺麗に見せる効果もあります。厚手のストレッチ素材は軽やかでしっとりとした肌触りですので、履き心地も快適です。
アジャスターが付いていないため、初めてララファーリヤンの商品をご購入される方は、事前にサイズに関してご相談いただくのがおすすめです。
まとめ|ドイツ国内では社交ダンスの若者人気が高い!主力選手も多数

ドイツは社交ダンス人気が非常に高く、国際的な競技会でのチャンピオンを多数輩出している国です。
ヨーロッパ特有のカップル社会に根付く独自のダンス文化を持つドイツでは、社交ダンスは競技ダンスのみならず出会いや交流のきっかけとして市民権を得ています。
ドイツでは10代からダンスを学ぶ習慣があり、ジュニアやユースのダンサーも着実に育っている印象。スタンダードとラテンのどちらにも世界トップレベルのダンサーが存在します。国内での社交ダンスの盛り上がりは著しいと言える状況でしょう。
ボールルームネットでは、ドイツのダンスブランドやプロダンサーがスポンサーを務める人気ブランドの衣装を多数取り揃えております。
「ドイツブランドに魅力を感じる」「日本では購入できない海外ブランドの衣装を着用したい」というお客様は、ぜひ当店のショッピングサイトをご利用ください。

衣装・ドレス専門の通販ショップ ボールルームネット
あなたに合う社交ダンスドレスがきっと見つかるはず♪
お電話(運営元)でのご注文、お問い合わせなど、お気軽にご連絡ください。
※運営元:株式会社コキアージュ
〒102-0084 東京都千代田区二番町5番地2 麹町駅プラザ901

受付時間 AM11:00~PM6:00
定休日:土日祝日・夏季休業・年末年始
インターネットからのご注文、お問い合わせは365日年中無休受付中です。
インターネットからのお問い合わせはコチラ